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【創作BL】青いシャツとネクタイの話

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「あー……」

どこがだよ、とソウスケは心の中でツッコミを入れる。

「そっかー。まあでも会ってくれたんだろ? お前背高いし顔も悪くないし中学でモテてんじゃん。なんだかんだ良い奴だしさ。頑張ればいけんじゃね?」

半ば慰めのようなタクミの言葉だが、そう言われて悪い気はしなかった。それどころか、一度折れた気分が上昇していっているのがわかる。

「……そう思います?」
「うん!」

強く明るく頷いたタクミの声を聞くとソウスケはさらに力が湧いた。

「じゃあ、もうちょっと本気だそうかな」
「そうそう!その意気その意気!」

タクミはそう言いながら笑い声をあげた。
おそらく電話の向こうでもタクミの顔は笑っている。
その笑顔は自分のものだ。

「タクミ先輩」
「んー?」
「夏、絶対会ってくださいね」
「良いよ」
「絶対っすよ」
「わーったよ。休み出来たらすぐ教えるから」
「絶対、待ってます」




翌日ソウスケは部の仲間にサボりを咎められ、三日間部室内の掃除をするはめになった。
夏休みまでにソウスケはもう一度それをやらかし、今度の罰は一週間に伸びた。

西高がブレザーに衣替えした。道のりは計五十五分となっていた。
ソウスケは少し嘘つきだが、案外素直だ。