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鬼城 地球
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novelistID. 15205
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アメンボ!! ~South vs. East~

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「あったけー! あんな寒い体育館はもうしばらくごめんだぜ……な? アメンボ」
「知るか、体育館でも教室でもあまり変わりはしない」
「それは、アメンボの席が暖房から遠いからだろ?」
「我ながらにくじ運のなさに呆れる……」

 教室に入って、温かさに喜んだのはサッカー部・部長となった芦屋 憲司(あしや けんじ)。
そして、その芦屋がアメンボと呼んだ人物、彼……いや、彼女がこの物語の主人公・尼崎 勇波(あまがさき ゆうな)である。
彼女は、口調が男らしいが決して意識しているわけではなく、元より自分が女だということを気にしていないのだ。

「なぁ、アメンボ……トシから聞いたんだけど勇斗さん、また女装したって、本当か?」
「本当だ……どうやら、一人暮らしに相当きていたらしい」
「大学生になって結構経ってるのに……」
「まぁ、この冬にインフルエンザとか色々脅威があるんだろう」
「勇斗さんも大変だな」

 芦屋の言ったトシとは、西宮 歳行(にしみや としゆき)のことでまたあとに出てくることになる。
そして、勇斗とはアメンボの兄、尼崎 勇斗(あまがさき ゆうと)のことで兵南高校水泳部のOBだ。
現在、大学生で一人暮らしをしているそうだが、ストレスがたまると女装をしだす、かなり変わった人物でもある。

「そんなことより、また教頭から出動要請だ」
「今度はなんなんだよ? 割れたガラスの掃除か? それとも校長の飼い猫探しか?」
「わからない……まぁいい、部長で忙しいかもしれないが昼に水泳部に来てくれ」
「はいはい、了解」
「あ、あと一時半以前に来る場合は……」
「わかってる、静かにするって」
「わかればよろしい……」

 D組の担任がやってきてHRが始まった。
連絡といっても今後の三学期の予定を述べたり、もう受験期に入っているなどと担任が念を押すように言ったりしただけで終わった。
アメンボは、すぐさま教室を出て水泳部室へ向かった。