「セックスアンドザシックスティーズ」 第十二話
恵子は典子に電話をした。
「おはよう・・・昨日はありがとう、気を遣ってくれて・・・うん、そう・・・ええ・・・ゆっくり話すから、下で待っててチェックアウトするから」
電話を終えて高志の傍に行った。
「今度はいつ逢えるかな?」
「そうね、私はいつでもいいけど大阪だからどうします?」
「そうだなあ、出張の時は必ず連絡して逢いたい。それ以外は名古屋とかで逢うようにしようか?費用はボクが出すから」
「名古屋ですか・・・そうね、典子さんとも会えるし、美紗子さんも近いから前の日に二人に会ってその夜から高志さんと逢おうかしら」
「その手があったね。今度逢えるときを楽しみにしているよ・・・なるべく早く逢いたい」
「私もそうよ。メールして頂戴。私もするから・・・それと、奥様とは無理して別れないでね。私は今の関係で構わないから・・・」
「恵子・・・妻とのことは自然に任せるよ。いまは恵子にだけ向いているからそのつもりで居て欲しい」
「はい、私も高志さんだけです」
「浮気しないでくれよ・・・寂しくさせるようなことはしないから」
「あなたこそ・・・旅先で変な事しないでね。女は敏感だからすぐに解っちゃうのよ」
「しないよ!酷いなあ・・・」
「あなただってそういったじゃない」
「そうだったね。好きだからキミを待てる。信じて欲しい」
「信じるわよ。私はあなたが初めての人なのよ別れた夫以外には・・・だからあなたを忘れたくないの、忘れられないし・・・」
「恵子、嬉しいよ。絶対に裏切らないから・・・もう時間だろう?ボクは一緒に行かないから」
「ええ、そうね。紹介するというのも変だしね。じゃあ待っているから先に行くね。必ず連絡してね」
「ああ、必ずするから」
「お別れのキスして」
「うん」
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第十二話 作家名:てっしゅう