水世界
雪触れ
雪、ゆき、降れ、触れ、触れる
気が触れる
白いものは心に触れる
ひやり
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、
あつい
涙は狂った残り滓
冬は白い
雪はひどい
世界をまっ白にしてしまう残酷さ
白に人は耐えられない
人は黒に怯え白を恐れ、灰色の壊れた生き物
もう死んでいるのかもしれない
生命が濁っている
けれど、濁ったものは愛おしいよ
狂おしいほど愛
熱に涙が出た
しん しん
音もなく
ただ、そっと
雪は降りゆく
雪、ゆき、降れ、触れ
気が触れる
それでも雪に触れたいと
触れたいと
願わずにいられない
心