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冬野すいみ
冬野すいみ
novelistID. 21783
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水世界

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抜け殻、愛す








いやよ、いやよ、いやよ
 いやや、いやや、いやや

ふわり
    浮かんで

また


消えて



   ただ それだけの 心


ああ、うう、それでもそれでも
光を光を
涙を涙を
影を影を

焦がされるように
熱く
冷たく

凍らされてゆく

  白い足 ひとつ 曝(さら)けだして
  冬の 日のもとで <幻の白> 悲しい

  赤い舌が どくどくと 血の色をして 生きていた
  熱いと息が 氷の世界で生まれては死んだ

  白い足を侵食する 赤い舌の おぞましさ
  うつくしさ
  かなしさ
  いとしさ




いやよ、いやよ、いやよ
 いやや、いやや、いやや

うちは 浮かんで 沈んでいくだけの
脱け殻 となる

それも可笑しい

愛らしい

つまりは、結局、
影に焦がれている


人の脱け殻











作品名:水世界 作家名:冬野すいみ