水世界
抜け殻、愛す
いやよ、いやよ、いやよ
いやや、いやや、いやや
ふわり
浮かんで
また
消えて
ただ それだけの 心
ああ、うう、それでもそれでも
光を光を
涙を涙を
影を影を
焦がされるように
熱く
冷たく
凍らされてゆく
白い足 ひとつ 曝(さら)けだして
冬の 日のもとで <幻の白> 悲しい
赤い舌が どくどくと 血の色をして 生きていた
熱いと息が 氷の世界で生まれては死んだ
白い足を侵食する 赤い舌の おぞましさ
うつくしさ
かなしさ
いとしさ
いやよ、いやよ、いやよ
いやや、いやや、いやや
うちは 浮かんで 沈んでいくだけの
脱け殻 となる
それも可笑しい
愛らしい
つまりは、結局、
影に焦がれている
人の脱け殻