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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その5】完

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【咲夜!心を許してはだめです!しっかりして!】

 ミシェルの声が聞こえる。

【今意思を持たなければあなたは本当に消滅してしまいますよ!しっかり!】

 消滅…だれが…?

 耳を澄ますと、羽ばたく音と荒れ狂う波の音。
 今何が起きているんだ…?

 私は遠のきそうな意識のまま、周りの状況を把握しようとしていた。
 
「おい![兄さん]よ!なんなんだよあれは!」
 雄吾の声がする。
【ラシャが完全開放してしまっています。でもフィルグスの封印をつけたままの状態で…】 
「それって何とかなんねぇのかよ!」
【今のままでは狼一族の念がラシャを動かしている状態なので、今のラシャはどう動くかわかりません】
「わからねぇじゃなんともなんねぇだろ!何か方法あるんじゃねぇのかよ!」
【あるにはありますが……】
「ならそれやるしかねぇだろ!」
【えぇ……そうですね】
 ミシェルは言葉を詰まらす。

 ラシャが完全開放……?
 それって私が消滅するってことじゃない?
 そっか…私……ラシャにかけられたミシェルの結界解いちゃったんだ……
 だからだ…もう私は………

 そこへしゃがれた声が響き渡る。
【われらを全て消した所で、われらには何の問題もないわ…王妃の魂はわれらの手の中…これで再びラグナロクが訪れるのじゃ…ふはははは!】

 ラグナロク……?
 世界終末…また訪れる…って……?

「くっそぅ…!ラシャは完全に乗っ取られちまってんのかよ!出し惜しみしねぇで術でもなんでも出せよ!このままじゃ咲夜が消滅しちまう!」
 雄吾がそう言うと、[白い悪魔]はゆっくりと口を開いた。

 体の自由を奪われた私は、ニズの背中で雄吾に抱きかかえられていた。遠のきそうな意識が微かに残る中、荒く波打つ海の上に浮かぶ白い悪魔と、黒い翼のニズホッグになったミシェルの会話に耳を傾ける。