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なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ!

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「おやすみなさいませ」
 司佐は顔を顰めたまま、コトハの部屋のドアを開け、堂々と帰っていった。
 寂しさを感じながらも、コトハは司佐としばらく距離を置くことにしたのだった。

 次の日から、コトハは司佐の身の回りの世話以外、司佐に寄りつかなくなった。学校の行き帰りも別々で、一緒に食べていた昼食も別々だ。
 一方で、桃子はその勢力を広げていった。桃子はコトハと同じクラスになったのだが、もともとあまり友達のいないコトハと反対に、桃子はあっという間にクラスのアイドルとなっていたのである。その人気は、ほぼ金持ちの家柄である故のものであるが、その地位はすぐに画一された。

 ある日、コトハが学校に行くと、そこにコトハの席はなかった。
「あれ? 私の席……」
 教室を見回すと、教室の隅に片付けられており、その上には掃除用具が置かれている。
 意味がわからず、コトハは振り向いた。
「あんたの席なんかないよ」
 何処からか、そんな声が聞こえる。
「もともと気に食わなかったのよね。司佐様や有森兄弟まで手なずけちゃって」
「使用人でしょ? 身分わきまえなさいよ」
「そうよ。桃子さんが司佐様の婚約者なのに、邪魔してるんでしょ」
 コトハは歯を食いしばり、片付けられた机を元通りにする。
「やっぱり卑しいよね。神経図太すぎ」
 耳を塞ぎ、コトハは授業が始まるのを待つ。
 ここで逃げ出したら、せっかく高校に通わせてくれている山田家に申し訳がない。コトハはそう言い聞かせて、その日を過ごした。