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なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ!

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「私も……柔道やろうかな」
 その言葉を聞いて、昭人は笑ってコトハの頭を撫でる。
「護身術は俺に任せて、おまえは好きな部活に入れ。こんな汗臭いところ、司佐に嫌われるぞ。それに、柔道は僕の好きな部活だ」
 頼もしいまでの昭人に、コトハは頷く。
「はい。じゃあ、司佐様のところへ行ってきます」
「うん」
 昭人に見送られ、コトハは隣の建物を覗く。
 広いその建物には、袴姿の司佐がいる。いつもと違って真剣な眼差しで的を射抜く姿が、昭人と同じく格好が良かった。
「あれ、コトハちゃんじゃん?」
 そこに現れたのは、司佐の従兄弟だという、貴一であった。
「貴一様」
「覚えててくれたの? 嬉しいなあ。でも、様付けはよしてくれる? 司佐じゃないんだから」
「じゃあ、貴一さん?」
「ハイハイ、なんですか? コトハちゃん」
「貴一さんも、弓道部なんですか?」
「いや、僕はバレー部だから。でも珍しく司佐が部活に来てるっていうからさ、殴り込みっつーか、果たし合いっつーか?」
 軽い様子の貴一に腕を掴まれ、コトハは弓道場の中へと連れて行かれた。
「たのもう!」
 突然響いた貴一の声に、弓道場内の全員がこちらを向く。
「貴一?」
 司佐は怪訝な顔で貴一を見つめ、その手に掴まれているコトハを見る。
「司佐。勝負だ」
「またか……それより、うちのメイドに触るなと言ってるだろう」
「こりゃ、失礼」
 貴一は掴んでいたコトハの手を離すと、司佐の前に立った。
「おまえ、一度俺を負かしたからって、いい気になるなよ」
 司佐が言う。
「いい気になんかなってないよ。だって実力だし?」
「貴様……」
「ま、いくら幽霊部員のおまえでも? 部員でもない僕に負けちゃうとか? そりゃプライドが許さないと思うけどぉ?」
 うざいまでに語り続ける貴一。
 そのきっかけは、以前一度、遊びで弓道場を訪れた貴一が、司佐よりも好成績を残したことにある。
「前のはビギナーズラックだ。一度勝ったくらいで、いい気にならないでもらおうか」
 そう言いながらも、受けて立って司佐は貴一に弓を差し出す。
「なに言ってんの。僕だって一応、良家のぼっちゃん。弓道は子供の頃からやってるんだよね」
「そんなことは知ってる。さっさとやれ」
「司佐。これは真剣勝負だ」
「わかってるよ」
「じゃあ僕が勝ったら、このコトハを僕にくれ!」
「はあぁぁぁ?!」
 驚いたのは司佐だけではない。コトハもまた、目を大きくして口を塞いだ。