出張
出張先の駅に着いても雨の勢いは収まらなかった。
いつもよりやや高揚した気分で、鞄の中から折り畳みの傘を取り出す。
小さな傘では大柄な私の身体を収め切ることが出来ず、歩き出して一分と経たないうちにスーツのズボンの裾には染み込む雨で濃い色が均一に拡がっていった。
そして、膝についたソースの染みもその中に消えて往く。
苦い思いと共にだ……。
おわり
2003.05.31 №039
冒頭部分は当時書いていた日記からの引用です。
日常からの離脱と修正、という意味で自分的には別の何かが有る作品ですが、それが読んだ方に伝わらないといけませんね。
どうだったでしょうか?