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御影山編

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***

「疲れた〜」

 私は今日一日の仕事を終えて、帰宅の途についていた。カレンの所で一通り化粧品について教えてもらっていると、終業時刻はすぐに訪れた。
 カレンに感謝し会社を去って、家に着くなり簡単な料理を作って食べながら、カレンが貸してくれた本を読んでみる。

「うーん、カレンが教えてくれたファンデーションだけじゃなくって、アイシャドウやアイブロウ、口紅やグロスも本当に色々細かく作られているのね。勉強になるなあ」

 そう言えば社長が開発センターに行けって言ってたな。開発センターって聞くとなんだか白衣を着た人たちが試験管や顕微鏡で研究してるようなイメージだけど、科学なんてさっぱりな文系の私が行って、本当に商品の改良点なんかの説明しちゃっていいのかな?
 でも、やらなきゃいけないんだもんね。
 結果を出さないと、そして社長に「お前のおかげでうまく行った、これからも美星堂の為に頑張ってくれ」って言わせてやるんだから!
 そう意気込み、拳を振り上げる。

「頑張るぞー!」

 そして気合いを入れ、明日からの仕事に期待を寄せた。

 
作品名:御影山編 作家名:有馬音文