小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

御影山編

INDEX|18ページ/44ページ|

次のページ前のページ
 



 今日は朝から市場調査のお仕事だ。やってみるととっても楽しくて、お客様がどんな商品が欲しいと思っているのか、色々と意見を聞く事が出来た。私が思うような欲しい化粧品だけじゃなくて、千差万別、色んなタイプの人がいるんだな〜って改めて勉強にもなった。
 和田さんが集計したアンケートをもらい、私は開発センターへと向かった。
 その途中、タクシーの中で携帯が鳴った。

「あれ? これ、誰の番号……?」

 見覚えの無い番号に一瞬悩みながらも、一応出る。

『葉月、俺だ』
「? 社長!?」

 びっくりした、社長が携帯に連絡して来るなんて……まさか、市場調査で気づかないうちに何かポカしてたのかしら!?

『お前、今開発センターに向かってるな?』
「はい……」
『よく聞け。秀麗に、我々の新製品の情報が漏れている』
「えっ?」
『どこから情報が漏れたかは調査中だが、今までよりももっといい商品を作らなければいけなくなった。俺も今からそっちに向かう。部長たちとは話したが、お前が取ったアンケートを軸にさらに商品を練り直す。俺が行くまでに今朝川島に渡されたパソコンに、おおまかな集計結果を入力しろ。もちろんどんな要望が一番多かったか、図説も入れろ。いいな』
「えっ!? しゃ、社長、ちょっと待ってくださーーーい。―――って、切れてるし!」

 一体どういう事なの? 情報が漏れてる? どうして? いや、それよりも社長が来るまでのこのデータを入力しておまけに図説まで付けろですって!? 無理に決まってるじゃない!!

「こ、こうしてらんない! すぐに始めなきゃ!」

 開発センターに到着するまでの時間も惜しい。私はすぐにパソコンを立ち上げて仕事に取りかかった。



作品名:御影山編 作家名:有馬音文