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「レイコの青春」 7~9

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 バーと呼ばれる、立ち寄りタイプのお店が登場する頃になると、
呑み物もウィスキーが主流となり、店内ではお酒と共に女性たちによる
接客が、もうひとつの「売り物」になりはじめます。
このころから本格的に、男性客が接客専門の女性に歓待されて呑むという、
旧来の花柳界とは一線を画す、あたらしいタイプの風俗が産まれてきます。
手軽に酒と女が楽しめると言う風潮は、のちになると、
昭和と言う時代を象徴する、「歓楽街スタイル」として
定着をすることになります。


 接客や接待そのものが、
長年にわたって宴席で芸を磨いてきた芸妓さんたちから、
ホステスさんと呼ばれる、男たちを話術だけで
もてなす女性たちに変わります。
さらにこうした女性たちと気楽に交流する飲食店として、
「スナック」なども、もうすこし時代を下ってから登場をします。


 こうした変化を支えたものは、
日本経済の過激ともいえる急成長でした。
勤労世帯の収入の伸びと景気の過熱が、さらに浪費を拡大させました。
物があふれ、庶民の遊び方が過激化し始めたのも
この時代の大きな特徴です。
夜の歓楽街においても、それはもっとも顕著にあらわれます。


 夜の街での伝統や
しきたり情緒などは、あっというまに駆逐をされてしまいます。
誰でも気軽に女性たちと交遊できる場としての「歓楽街」が、
日本の全国各地に、次々に生み出されました。
それが、昭和によって生みだされた「ネオン街」とよばれた
夜の呑み屋街です。
長年、旦那衆の遊び場として君臨してきた桐生の仲町通りの
変貌ぶりも、その例外ではありません。