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てっしゅう
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「仮面の町」 第二十話(最終回)

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二人の子供を寝かしつけて遅い夫の帰りを優子は待っていた。
酔って家に帰ってきた弘一にいやな顔一つせずベッドまで誘導して着替えを手伝って眠りに就かせた。もう直ぐ結婚して10年を迎える。
子供を両親に預けてふたりだけで旅行しようと約束をしていた。
出逢った頃は弘一が夢中になっていたが今は自分の方が夢中になっていると優子は感じていた。正義感の強さと実行力は父親として子供達にいい見本になる。そしていつも優しい自分への態度は男性として尊敬できる。

新潟の田舎から就職で出てきた青年が勤めていた会社の女性と知り合い、恋をして、結婚した。それだけでも本当はすごいことなのに、町の諸悪の根源ともいえる大手不動産業の総帥を反省させたのだから人の噂に乗って天木弘一への尊敬は広まっていった。
久能雄一の後押しもあって30歳の誕生日に時期市長選挙に出馬する意向を固めた。天木のポスターが市内に貼られるとその知名度は一気に加速し、圧倒的な票数で当選した。

天木弘一が出逢った運命は久能家100年を経て腐りかけていた屋台骨を救って欲しいとの天からの願いだったのだろうか。
そう考えると妻優子との出逢いは決して偶然ではなかったと言えるだろう・・・

終わり。