「レイコの青春」 4~6
乳飲み子を抱えた母親たちが、産休明けからの保育を熱望しても、
1960年代には、それを受け入れてくれる公立の施設や、
民間の保育園はおろか、それを取り扱う行政の窓口自体すら、
ひとつとして世間に存在をしていませんでした。
70年代の初頭になってから、
小さな地方都市のひとつにすぎない桐生市で全国的にも珍しい、
ゼロ歳児と一歳児を預かってくれる保育所が誕生することになります。
しかもそこでは、夜間保育を中心とするという実に
特殊な形態も生みだされました。
こうしたきっかけを生みだしたのは、
全国に急展開を続けていたある企業にとるキャバレーグループの存在でした。
桐生の繁華街・「仲町通り」へ、このキャバレーグループが
進出してきたことが、此処へ、初めての深夜の乳幼児保育の
施設を生み出すことになりました。
7へつづく
作品名:「レイコの青春」 4~6 作家名:落合順平