「仮面の町」 第十九話
「まだ深谷さんに責任を押し付けるんですか?」
「天木さん、死人に口無しとか言われましたよね?正直に言って深谷は私の忠告を無視して信号無視したんですよ。理由はなんだったと思いますか?」
「理由?深夜で交通量が少なかったからでしょう?」
「違いますよ。二人乗りしているバイクの若者が・・・鬱陶しかったんですよ」
「そんな作り話何故するんですか?」
「作り話じゃないよ、何も信用しないんだね私が話している事は?」
「当たり前じゃないですか!最初からウソで始まったんですよ」
「そのことは謝る。しかし今から言う事は本当のことだ。信じないのなら話さない、帰りたまえ」
弘一はちょっと考えて、今久能は真実を語ろうとしているのではないかと予感が働いた。
作品名:「仮面の町」 第十九話 作家名:てっしゅう