24分の1の恋人
小百合が3回目に見村の店を訪ねたとき、舞がいた。
「小百合お姉ちゃんだ」
嬉しそうに名前を呼んでくれた。
「名前教えてって言うので・・」見村は照れくさそうに言った。
小百合もその事が不思議に感じたのだった。
多分私の話を2人でしたのだろうと思った。
今日は代理店契約の仮契約であった。
「舞その辺で遊んでおいで」
見村は娘にそう言った。
調度見村がサインをしている時、ガッシャンんと音がした。同時に泣き声がした。
250ccのバイクに舞は足を押しつぶされていた。
骨折で3週間の入院となった。
小百合は休みになり見舞いに行った。
「退屈だから何か教えて」
舞はそういいながら、折り紙を折っていた。
「パパね、小百合さんみたいな人がママだったらいいねって言ってたよ」
「そう、そうなの」
小百合はそう答えながらも、自分に彼がいないことを感じた。
別に必要でもなかった。仕事に夢中であった。