ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー?
(5) カート暴走
ゴルフをやっていると、時として思わぬことが起こるものなのだ。
メキシコ北部でガラガラのゴルフ場でプレーをした時のこと。
カートはガソリン車で、パワーがありスピードが出る。
さっささっと回るには都合が良い。
そんなリズムに乗って、スコアもそこそこで、実に快調。
だが、そんな時に起こるものなのだ・・・思わぬことが。
同伴プレーヤーとともに4人が乗ったカート。
アクセルが固まってしまった。
その上に、ブレーキが効かない。
スピードがガンガンに出ていた。
それに危険を感じ、全員フエアウェーにまずは自ら転げ落ちた。
それでもカートはまっしぐらに走って行く。
そして大きな木に・・・ドーンと正面衝突。
どうもカートのメンテが不充分だったのだろう。
壊れたカートは動かないし、危なくってもう乗る気もしない。
しかし、ここからが大変だった。
事故現場はクラブハウスから遠く離れた所。
連絡用ホーンなんて、そんな気の利いたものはない。
つまり・・・助けの呼びようがないのだ。
後は重いバッグを担いで・・・、
暑い中、それでもヤケクソで・・・プレー続行。
スコアはガタガタになるし、熱中症の症状も出てくる。
そして、プレー途中で目にしたのだ。
2、3台のカートが落ちているのを。
池に・・・ゴロゴロッと。
ゴルフ教訓
「ゴルフは、命あってのスコア」
作品名:ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー? 作家名:鮎風 遊