ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー?
(3) ホールインワン
ゴルフを始めて、3ヶ月ほどしてからのことだった。
早々とホールインワンをやっちまった。
当時まだ途方もなく下手くそで、確か120ヤードを6番アイアンで。
それがトップし、幸運にまっすぐ転がり、花道へと。
そしてグリーン上で、二、三度跳ねただろうか、ぱっとボールが消えた。
カップの中に見事ボールは沈んでいたのだ。
当時はホールインワンをすると、それをやらかしてしまった者が、知人/友人を招待し、その日の内に、町の料亭で大宴会を催さなければならなかった。
大出費をともなう。
だが、まさかと思っていたものだから、ホールインワン保険の期限が有効かどうか自信がなかった。
確認する必要がある。
そんな事態を同伴の先輩がえらく心配してくれて、
クラブハウスで宴会開始時間を聞こうと待ち構える多数の野郎どもを避けて、そっと裏口から逃がしてくれた。
幸いにホールインワン保険は有効だった。
その後、宴会の代わりに記念品を配りまくった。
そう言えば、何人かの友人のホールインワンに立ち会ったが、内密にしてくれと頼まれ、握り潰したことが数々ある。
されど、ホールインワン。
あれからウン十年の春秋を経て、そろそろ生涯2回目の・・・
正真正銘のホールインワンをと狙っている。
が、凝れば凝るほど、
1メートル内のニアピンにもならないのだ。
ゴルフ教訓
「ホールインワンはいつも想定外、それを想定せよ」
作品名:ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー? 作家名:鮎風 遊