小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

~双晶麗月~ 【その2】

INDEX|28ページ/28ページ|

前のページ
 

 男がフィルを弾き飛ばし、壁に打ちつけられたフィルは地面に落ち、消えた。
 いともたやすく、残酷なまでに、私の目の前で……
 そしてあの白い壁には……フィルの……血が……たくさんの血が………
 
「『フィルグスはナーストレンドに帰った』と、そう僕は言ったと思います」
「あ……男の……体を裂く……?フィルが……?あの……フィルが……!」
 私は急に混乱して、目の前が真っ暗になった。

「しっかりして下さい!落ち着いて」
 ミシェルは机を拭いていた手を止め、そのままベッドに塞ぎこんだ私の肩に手をかけ、何度も呼びかけた。それでも私はさらに錯乱していた。

「あの白い壁にはたくさんのフィルの血が飛び散っていた!私は!私は思い出したくはなかった!あの出来事は……あの出来事は私の中にあってはならない記憶……フィルが!ナーストレンドに行くはずなんかないんだよ!死者の体を裂く?フィルは守護獣なんだ!そんな……私を騙すようなことするはずがないんだよ!」

「咲夜…」
 ミシェルは震える私をそっと抱き起こした。
 そしてベッドに座る私の前で立ち膝になる。
「咲夜……僕は……謝らなければいけません……あの時のことを……」

 私はさらに怒りがこみ上げてきた。






…【その3】http://novelist.jp/523_p1.htmlへつづく。