俺とみこの日常 10話
今は四月。
みこ、優美ちゃんは元に戻り、俺も元に戻った。
そして今は春休み。
休みという事もあり、みこに(相当)早くに起こされた。
『春の朝だよ!散歩に行こう!』
とのこと。
嫌がってはみたものの、抵抗空しく連れだされた。
「よし、散歩だよ!どこに行こうか?」
「どこでも…あれ?」
「どしたの?」
「いや、あれ」
その先には引っ越し業者…あれは、世界一作業が早い事で知られる『韋駄天運輸』。企業名だけ聞くと、中国かどこかの企業のようだが、長野県に本社を構えている。社長曰く、まだまだ作業を早くしたいらしいが…。正直、今のままでも十分早い。
その、韋駄天運輸がうちの隣の家に入っている。
うちのお隣さんは五年前に引っ越していて、ここにはいない。が、家は残っている。
それも、築2年しかたってないから。
…勿体無い買い物。そう思ったものだ。
「誰か引っ越してきたのかな?」
「そうみたい」
「知ってたの?」
「知らない」
そう言い合っていると、一台の車がこっちに向かってきた。
…いや、正確的に言うと隣の家の前にとまった。ってことは。
「引っ越してきた人、かな?」
「だろうな」
バタン
運転席のドアを開けでてきたのは、見た感じ三十代前半の男性。
続いて、助手席から男と同じくらいの歳の女性。…多分奥さん。
さらに後部座席から、子供が二人。男子と女子。
…アレ?
「うん?どしたの、そーくん」
「いや、子供の歳の割には親が若い気が…」
見た感じ、男子の方は中ニ~三、女子の方も中ニ~三。双子かな?分からないけど。
それに対し親は、さっき言った通り見た感じ三十前半。
みこは、ふーんと言った後、子供と親を見比べる。
そして、
「普通じゃない?…っていうか、そこ?」
「うん、そこ」
作品名:俺とみこの日常 10話 作家名:ざぶ