理科室の吸血鬼
その後あたしは、突っ立ったまんま動かなかった。
『お前のために来ただけだし。』
(おいおいおいおい、今のどーゆう意味だよ…)
セリフを繰り返すたんびに顔が熱くなる、すると後ろから冬瓜がきょとん、としたままあたしに話しかけてくる。
「だ、大丈夫か…?顔、真っ赤やで?」
「わっ!大丈夫?熱?」
今度は亜紀にもそう言われあたしは我に帰り、慌てて顔を手で覆う。
「だ、大丈夫大丈夫!そんなに真っ赤?」
冬瓜と亜紀は顔を見合せ「うん」と頷く。
「とにかく、保健室行った方がいいよ。ほらっ!」
亜紀に背中を押されあたしは渋々教室から出る。
ふと、黒崎君の方を見ると、横目でこちらを見てしばらく見つめる。
すると「ふっ」と鼻で笑われあたしは黒崎君を睨む。
「お前のせいだ!!」と今にも叫んで早く顔の熱を冷ましたかった。