理科室の吸血鬼
「おお、黒崎。おはよう」
そこには真っ黒な髪のイケメン、黒崎君がいた。
「…おはようございます。」
黒崎君は片方の手をポッケに突っ込んで先生に返事をする。
その様子に先生はにっこり頷くと黒板にて向き合う。
黒崎君が席を探すと、一番前の和也が
「席替えしたから、お前の席は岸田の隣。」
そう、なんとあたしは黒崎君の隣の席なのだ。
予想通りに亜紀は凄くあたしを羨ましがってる、今だって黒崎君が来て一人だけはしゃいでる。
亜紀はこの前の夜についてはまったく覚えてないらしい。
それはそれで良かったが、のんきにもほどがある。
黒崎君は席に座ると手を顎に乗せ、こちらをずっと見てくる。
「…」
来るのが珍しくてビックリしたが、少し馴染みがあってこの間の放課後のことを思いだしあたしはメモ帳を出した。
『本当に来たんだ』と書き、黒崎君の机の上に置く。