理科室の吸血鬼
押し倒されてる少女は青年の手首を掴みまるで威嚇しているかのように
顔に皺を寄せ、青年を睨み付けている。
また、少女を押し倒している青年は少女の首を絞めようとしており
口角を上げながら少女を上から目線に見下す。
誰もが見ると異様な光景に見えるだろう。
「真輝はーん、終わったー?」
扉の向こうから声がした瞬間、青年は素早く手を離し私から距離をとる。
「ここは凄いな、沢山の怪物がうじゃうじゃいる。」
目を細め顔をしかめて言う彼は立ち上がり窓の方へ行った。
「それに君は…俺の一番嫌いな匂いがする。」
そう言って彼は突然猫の姿になり外へ飛び出して行った。
あたしは呆然としたままそれを見送った。