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理科室の吸血鬼

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窓にポツポツと雫が落ちてきた。
「ん?」

それは段々と数が増していき、激しくなっていく。

「げ…、雨降ってきた。」

数学の時間、あたしは窓の外を眺めて呟いた。
(あ…しかも傘持ってきてない。)
今日の天気予報は晴れだと言っていたが、まったく違うじゃないかと思いながら
渋々黒板に書いてあることをノートに写す。

すると後ろから、つんつんとシャーペンかなにかにつつかれる。
振り向くとその人物はニヤニヤする。
「真輝はん、あんた今、外見て傘忘れたなぁって思ったやろ?」
ズバリと当てられ、あたしは「えっ!!!」と声をあげて驚いてしまった。
数学の先生の目がこちらに向けられ冷や汗をかく、しかも周りの人達の視線が痛い。

「どうした?岸田、」

「い、いや、なんでも無いです」
そう言うと先生は再び黒板に向き合う。
ほっとしていると、後ろからクスクスと笑い声が聞こえる。

「大袈裟やなぁ。」

作品名:理科室の吸血鬼 作家名:麗潤