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てっしゅう
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「セックスアンドザシックスティーズ」 第八話

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銀座のカフェを出て宿泊先のホテルに着いた。映子は夕食を済ませて1人だけ自宅へ帰っていった。残った三人は同室で東京の夜を迎えようとしていた。
「ねえ、どうする?このままテレビ見て過ごすのはもったいないよね。バーに行くか外に出ましょうか?」典子の勧めに恵子と美紗子は顔を見合わせてどうするか話し合った。

「なんか酔ってしまったら帰ってくるのも嫌だからホテルのバーにしましょうよ」恵子の意見に美紗子は頷いた。
「じゃあ、決まりね。確か一階にあったと思ったから下りましょう」
典子に付いて二人はエレベーターまで歩いた。

扉が開く瞬間に恵子は忘れ物をしたことに気付いた。

「典子さん、ゴメンなさい。忘れ物をしたから鍵貸して。すぐに行くから先に中へ入って待ってて下さる?」
「解った。じゃあこれ・・・慌てなくていいから」
扉が閉まって典子と美紗子は先に下りていった。

部屋の前で1人の男性とすれ違った。年齢は同じか少し下に感じられた。軽く頭を下げられて「こんばんわ」とだけ恵子は挨拶をした。
相手も「こんばんわ」と言いながら少し微笑んでいた。
「感じのいい男性だ」そう思った。
忘れ物を持って再びエレベーターの前に行くと先ほどすれ違った男性が居た。

「どちらかへお出かけですか?」そう声を掛けられた。
「はい、一階にあるバーに行くところです」恵子は顔を合わせずにそう答えた。
「偶然ですね。私も友人と待ち合わせして今から行くところなんです。良かったらこれもご縁なのでご一緒しませんか?」
「はい、連れが二人居りますのでご迷惑かと・・・」
「そうでしたか・・・ではお互いに楽しいお酒にしましょう」
「ええ、ありがとうございます」

エレベーターが来て扉が開く。二人は無言で立っていた。