「『人間』の課題」
さて、今夜はあまり考え過ぎて、知らずしらず考えが傾き、「人間」と同じようになってしまうのも怖いので、一旦頭を休めよう。地球にはわたしと同じ「種」がいるはずなのに、それを見つける方法が分からない。おそらく相手も分からない。いつまで経ってもこのままなのか。つまり、切符はもう買い換えることはできない。すべてこれからは、自分で最後までのレールを作りながら残りの人生を生きるしかないのだろうか。
ああ、真夜中になる。また一日が終わり始まる。今日の切符と明日の切符が、一瞬オーヴァーラップし、日付の数字が変わっていく。それを見ながら、すべてがこの数字で表わされるのかと思った。わたしの人生の合計は、何年何日何時間何分何秒で終了するのか。それを想像すると、「人生について」なにか書けるような気がしてきた。けれどもう眠ろうと思った。せめて眠っている時間だけでも幸せになりたいから。あーあ、「人間」になんかなりたくないな。そう思った。
(了)