漢字一文字の旅 二巻 第一章より
十三の六 【茄】
【茄】、音読みは(カ)、訓読みでは(はす、なす)。
夏の野菜は茄子(なす)、そして赤茄子。
赤茄子って? そう、トマトのこと。
トマトは膨らむ果実の意味。
そしてその赤さはリコピンという色素。生活習慣病の原因となる活性酸素を消去する働きを持つ。
そんな健康野菜のせいか、西洋には「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがある。
英語では「A tomato a day keeps the doctor away.」であり、「1日1個のトマトは医者を遠ざける」ってことかな。
簡単に言えば、医者いらずということだ。
しかし、茄子は赤だけではない。
白茄子は僧侶の間で卵のこと。
小茄子は煙草入れ。
腰茄子は腰巾着。
いろいろあるようだが、いずれにしても暑い夏、赤茄子一杯食べて、医者いらずで乗り切りたいものだ。
作品名:漢字一文字の旅 二巻 第一章より 作家名:鮎風 遊