漢字一文字の旅 二巻 第一章より
二の六 【老】
【老】、上の部分は長髪の人を横から見た形だとか。
それに逆さまになった死者の形の「七」が組み合わさった。
これにより長髪の老いた人を【老】と言うらしい。
人は俗界に生まれ出て、そして老い、黄泉の国へと旅立っていく。
誰しもこの宿命から逃れられない。
しかし、古今東西、諦め切れないヤツがいた。また今もいる。
不思議なもので、命がけで不老長寿の薬を探し求めているのだ。
だが見つからない。
しかし、ここへきてわかった。
この世に不老不死の不届きなヤツがいると。
そやつは・・・「べにくらげ」。
突然ある日から若返って、また人生をやり直すそうな。
しかも同じDNAを持ち続けてだから、ご本人そのものだ。
これ、ホント羨ましいですね。
鮎風も、もし若返れたら、
十七歳で叶わなかった恋をやり直し、検事となって、世の悪と戦い・・・。
こんなリベンジが果たせるかも。
で、何億年も生き続けている「べにくらげ」の酢の物、どこかに売ってないだろうか。
できれば、そのDNAを取り込みたい。
てなてな・・・ことに、
【老】という漢字、いつも「生」に執着させる。
作品名:漢字一文字の旅 二巻 第一章より 作家名:鮎風 遊