小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

漢字一文字の旅  二巻  第一章より

INDEX|121ページ/133ページ|

次のページ前のページ
 

十七の一  【空】



【空】は「穴」と「工」で構成されている。
開いた「穴」が「工」の形、つまり虹のように弓形に曲がった意味だとか。
そして「穴」の中には何もない。そのため「から、むなしい」の意味となった。

秋の青空、まさに清々しいブルースカイだ。
だが、その元の意味は「穴」……だとは、少しがっかりする。

そんな【空】の四字熟語に「色即是空」(しきそくぜくう)がある。
これはクレヨンしんちゃんの野原家の床の間の掛け軸にも書かれてある。

これは一体どういう意味なのだろうか?
まず「色」は仏教語で、宇宙のすべての事物や現象。そして「空」は実体がなく空無なこと。
「即是」は二つのものが一体不二(ふに)、要は二つとないことである。
これから「色即是空」は現世の物事は実体がなく空無、つまり一瞬たりとも同じ状態にとどまらず、常に変化し続けるという意味となる。

そんな四字熟語「色即是空」は「色即」と「是空」の組み合わせだと思っていた。
だが違った。
「色」、「即是」、【空】の三つの組み合わせだったのだ。
この歳になって驚いた。