小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

漢字一文字の旅  二巻  第一章より

INDEX|100ページ/133ページ|

次のページ前のページ
 

十四の一  【梵】



【梵】、「林」に「凡」、時々見かける漢字だ。
(ハン/ボン)と読み、風が木の上を吹き渡って行く様だとか。

古代から中世、インドで用いられた言語、サンスクリットのことを【梵】という。
バラモン教の最高原理のことであり、「梵天」のように仏教に関する物事の前に付く語だそうな。

そして、【梵】は(そよぎ)と読む。
「けがれなき清浄」/「真理をつく」という意味があり、かつ響きが良いことからこの漢字を使うことが静かなブームとなっている。
日本酒にレストラン、そしてマンションなど【梵】(そよぎ)と多く名付けられている。

こんな【梵】、広島県では【梵】さんという名の方がいるとか。
調べてみれば、日本名前順位で約7万位、全国で20人ほどおられるとか。
貴重な名前で、うらやましい限りだ。

そして昔においても、【梵】は価値があったのだろう。
伊達政宗の幼名がなんと「梵天丸」。
梵天は仏教の守護神、政宗はその子供と名付けられた。藩主の願いが込められたものと想像できる。

こうなってくると、【梵】という漢字を使いたくなるから厚かましい。
例えば鮎風は凡人、これを『梵人』と言い換えたいが……、鉄面皮過ぎるかな?