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最後の魔法使い 第四章 『地の魔法、火の魔法』

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「とにかく私が正しいとは限らないが、百聞は一見に如かず、だ。」
ジュダは持っていた木箱のかぎを開けた。
キーンと、今まで聞いたこともないような音が耳に突き刺さった。アレンは思わず耳をふさいだ。聞いてはいけない。アレンは本能的にそう感じた。
キ ケ ン ダ。
ディディーが木箱を開けた時はこんな音はしなかったし、こんなに不安に感じることもなかったはずだ。なぜ、ジュダが同じ木箱を持って目の前に立っているだけで、こうも違うのだろうか…。ジュダがパクパクと口を動かして、何か言っていたようだが、アレンには聞こえなかった。
キーンという不快な音は突然止んだ。とたんに、アレンの頭だか心に、今までの記憶が波のように押し寄せてきた。年代順ではなく、瞬間、瞬間の記憶が次々と浮かんでは消えて行った。