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最後の魔法使い 第四章 『地の魔法、火の魔法』

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第四章『地の魔法、火の魔法』

まだ日が昇って間もないころ、アレンは自分が寝ていたソファからそっと抜け出した。向かいでは、ディディーがいびきをかきながらぐっすりと眠っていた。肌寒さに身ぶるいすると、アレンは足元からシャツを拾い上げて、それを着こんだ。

昨夜、すべてを話し終わった後、ジュダは「今日はもう遅い。寝る場所を用意してあげるからすぐに寝なさい」と革表紙の本を閉じて言った。ジュダはどこからかソファを持ってくると、ディディーの向かいにそれをおいた。毛布と枕をアレンに押し付け、「おやすみ」と言って、ジュダはさっさと奥の部屋へ消えていった。アレンには質問する暇すら与えなかった。
「何でも聞きなさいって、言ってたよなぁ…?」
ソファに横になりながら、ジュダの不可解な態度を疑問に感じていたが、やがて日中の疲れがたたってアレンは眠りに落ちたのだった。