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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「哀の川」 第三十四話

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父がご飯を食べているときに、純一は杏子のことを話した。
「父さん、杏ちゃんね、やっと彼が見つかって、今度一緒に僕と神戸に行くんだよ。相手はね、パブのマスター・・・知っているかな?佐伯さん」
「ほう!そうなんだ・・・知ってるよ。元町の確か・・・スターキャッツだろう?姉が話してくれたこと覚えているよ。よく飲みに行っていたからね」
「父さんは行かなかったの?」
「未成年だよ・・・誘われたけど、いやだったから。その・・・姉のことではいろいろ噂されていたから。今だから言うけど」
「聞いているよ。マスターから。父さんも大変だったんだね」
「お前にそんなこと心配されるなんて・・・大人になったなあ、ハハハ・・・」
「だって、二十歳だよ。これからは男同士でいろんな話をしたいって、思ってるよ。父さん経験豊富そうだから頼りになるよ、違う?」
「おいおい、言うな・・・ママに聞かれたら追い出されちゃうよ」
「内緒にするから、安心して。母さんのこと愛しているんだね。パパが結婚してくれて、本当に良かった。ありがとう・・・」
「純一・・・おまえ・・・泣かせるなよ・・・俺こそありがとうだよ・・・」

純一は父親の直樹のことを、離れてみて初めて母親のなんであるか、ということに気付いた。母を思う気持ちと同じ気持ちで直樹のことを考えられるようになっていた。