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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回・弐】ハリスのハリセン

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「ボクはこれから心のふるさとに帰るよ」
「…これから?;」
坂田が携帯を開いた
「…九時だぜ?;」
「今から歩いていけば明日には札幌行きのバスが出るターミナルに着くとおもうんだ」
携帯をたたんだ坂田にハリスが言う
「別に今歩いていかなくても明日バスでいって乗り換えれば…」
言いかけた南の前にハリスがずいとカード入れのようなものを出した
「…誰このパツキンガール」
「レナいうてボクの彼女」
「…ほー」
「そして僕の心のふるさと」
「…クサー」
京助が鼻をつまんで手を顔の前で振った
「一緒にいたいと思う存在こそ心のふるさとなんだよ」
カード入れをしまいつつハリスが言う
「さって…じゃぁ…解散しますか」
伸びをしたハリスが背中を向けた
「んだねー…じゃぁ俺らもかえろっか」
南が坂田に言う
「おー…んじゃな」
「おーまたなーサンキュ」
片手を挙げ京助が三人を見送る
三本目の街灯の下を三人が通ったのを見てから京助が石段を登り始めた
「…何してんだ;」
「えっ;」
鳥居の影から見えたポニーテールに声をかける
「えっと…あの…おかえりだっちゃ」
姿を見せた緊那羅が笑顔で言う
「おかえりもなにも…どこにもいってねぇじゃん;」
「でも…いいじゃないっちゃか; 言ったって別に…」
石段を登ってきた京助の隣に並んで緊那羅が歩く
「…ただいま」
京助がボソッとつぶやいたのを聞いて緊那羅が足を止めた
「…置いてくぞ;」
「…あ; うんっ」
数歩遅れた緊那羅が駆け足で京助に追いついた
「京助ー花火の後片付けなさいよー」
「ヘーイヨー;」
「私も手伝うっちゃ」
母ハルミの声で二つの影が庭先へと向う
北海道の短い夏のとある一日