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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回・弐】ハリスのハリセン

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「ただいまンゴスチン----------!!」
片手に買い物袋、もう片手には悠助の手を引いた京助が玄関の引き戸を開けた
「おかえりだっちゃ」
奥から京助の声を聞いて走ってきた緊那羅が京助から買い物袋を受け取った
「ホラ、悠; いい加減手ェ放せ;あっちいんだからよーお子様体温…あと慧喜のガンツケが痛い痛い;」
いつまでも京助の手を離さない悠助に京助が言いながら悠助の反対の手を握りながら京助に向かってジェラシーオーラを目から放射している慧喜を見る
「やだ」
悠助がぷーっと膨れながら更に京助の手を握ると京助が溜息をつき緊那羅が苦笑いをした
夏休みに入って一週間と少し
それぞれ家族旅行やら何だかんだでここしばらく3馬鹿とも会ってはいない
宿題はお約束どおり一切手をつけていなく今だ通学鞄の中
夏の妖精向日葵のヒマ子さんは私の季節到来と北海道の短い夏を照らす太陽をめい一杯浴びて超元気
コマとイヌは暑さに弱いらしく和室の隅っこで伸びている
矜羯羅と制多迦はちみっこ竜の世話係りにいつの間にか落ち着いていて
慧光と鳥倶婆迦が懸命にその手伝いをしている
栄野家の今年の夏
仏壇には綺麗に畳んだ【柴野ストアー】粗品のタオルが置かれている
「最近悠助京助にべったりだっちゃね…何かあったんだっちゃ?」
緊那羅が廊下を歩きながらまだ京助の手を離さない悠助に聞いた
「…何もないもん」
悠助がぼそっと答えると緊那羅と京助が顔を見合わせて首をかしげた
「風呂も寝るのもついてきやがって…;」
京助が溜息をつく
「昨日も風呂大変だったしよぉ;」
昨日の風呂は京助と一緒に入ると言った悠助に慧喜も一緒に入ると言い出して一悶着あったことを思い出し京助がチラッと慧喜を見た
慧喜はむすっとして頬を膨らませている
「…;」
慧喜から目をそらして京助が肩を落とした
「はははは;」
緊那羅が場を繋ぐためか声を出してわざとらしく笑う