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おデブちゃんの肥満外来体験記

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お金の話と検査入院・前編



「すごくお金がかかるんじゃないの? 肥満外来って。入院とか言ってるし」
みなさんそう思われたかも知れません。それは人それぞれの感じ方に
よるとしか言いようが無いです。
ここで大ざっぱに肥満外来にかかるお金のことについて説明させていただきます。
まず、検査入院。これには保険3割負担と計算して5万5千円+実費がかかります。
そして医師の診察は必ず血液検査付きで月1回か3ヶ月に1回。保険適用です。
栄養指導月2回。これも保険適用。
カウンセリング月1回。1回800円。
運動指導月1回〜自由、1回2000円。
そして当然、交通費と昼食代。
これだけかかります(当時の金額です)。
なんて割に合わない! と思われる方もいるかも知れません。
そう。太るのは割に合わないことなのです。
それでも人はなぜ太るのか……意外と深遠なテーマなのかも知れません。

それはおいといて。

入院の日がやってきました。今日も母と一緒です。入院と言っても
手術等があるわけではないので気楽なものです。大きめのバッグに
一泊の荷物を詰め込み、総合受付の前に座ります。寝間着は
150円だったか300円程度で貸してくれる(サイズがあるのです!
といっても男性用)との話でしたが、たいした荷物じゃないので
普段の部屋着を持ってきました。
この時点で、1日3回の体重測定と最新式のカロリーカウンターを
義務付けられていました。
ちなみに当時最新式のカロリーカウンターとは、一日の運動量(軽い・普通・
激しい)が分かる万歩計のことです。パソコンで出力・管理出来ます。
ちなみにここN大学病院は、機械で受け付けを済ませ、精算の時もPHSで呼び出し、
ATM支払いも出来るという便利すぎてたぶんお年寄りにはよく分からない病院でした。
複雑すぎてその辺り、良く覚えてません。

まず入院するベッドに行き、荷物を置いた後、母とさよならしました。
肥満外来の受付に行くと、何故かほっとしたような顔をされました。
入院をばっくれる人もいるのかも知れません。
それからは怒濤の検査でした。
血管年齢を計ったり、エコーで胃をぐりぐりやられたり(唯一痛い)、
CT、MRI……その日は検査で明け暮れました。
CTを待っていたとき、前の患者さんの家族が親子連れで、幼児がボールを
転がして遊んでいました。
出てきた当の患者さんが、産まれて間もない赤ちゃんでした。すやすやとよく
眠っていました。
……私も、産まれてすぐ大病をしたのです。
その時、私は一番深く、肥満外来に来たことを恥じました。
病気の母に心配をかけたことも。

4時半ぐらいになってやっと解放され、夕飯が出ました。
内容はフルーツカレーでした。量が少ないのでせめてもの気遣いなのでしょう、
可愛らしい容器に入って、ニンジンは星形でした。
しかし……足りない!
3食1200キロカロリーってこんなに少ないの!?
「ちょっと出てきます」
私はそう看護婦さんに言い残し、一階のコンビニに食料を買いに走りました……。

って、反省して無いやん!