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おデブちゃんの肥満外来体験記

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二十歳の無茶なダイエット



高校時代は私の黄金期でした。
アホな高校でしたから、軽い虐めもありました。告白を断った男の子が
意地悪をしかけてきたこともありました。好きな男の子に嫌われたりも
しました。
しかも人から見れば、漫研に捧げた青春なんて
もったいないと思われそうですが、私の人生の中で一番幸せな時期でした。

そんな黄金期が終わってみると、体重は入学時より12キロ増えていました(汗)
原因はケンタです。マクドです。そこで先輩や友と過ごした幸せな時間がみんな
身に付いてしまったわけです!

私は家庭の事情で高校卒業後すぐに就職しました。
その時も母と共に安く大きいスーツを探して走り回りました。
当時はスリムスーツが主流でしたから(ちなみに、
私の就職した年にはちびTが流行りました)
160cm(仮)66キロの私が入る一万前後のスーツはほとんど
ありませんでした。
それでもなんとか捜しだし、就職後の研修に向かうことが出来ました。

いろいろあって、このときの就職はうまくいかず
たった半年で仕事を辞めることになりました。
高校時代、自宅のマンションから見上げた景色は
希望にきらきらと輝いていたのに
そのとき景色が灰色にくすんで見えました。
何者でもない、社会に属さない私。
それが不安でしょうがなかったことを、今でもはっきりと覚えています。

フリーター
夢を追う若者達
そんな言葉が流行った時期でした。
実際には就職口が無いだけの時代だったのに
マスコミに踊らされた馬鹿な大人達が若者を責めていました。

何者でもなくなった私は家でぼうっとしていました。
今思えば鬱病だったと思うのですが
私にも周囲にもそんな知識はなく
私の家庭での立ち位置は完全にお荷物扱いでした。
ぼうっとしながらも、成人式のことは目標にあって
「痩せなきゃ……」と思っていました。

当時の私は、痩せることが生き甲斐でした。
ダンベルもしましたし、一日700kcalの食事にも挑戦しました。
チューイング(口に入れて呑み込まず吐き出すこと)という
摂食障害ギリギリの行為までやりました。
若かったから無茶が出来たのでしょう。1年半で15キロ痩せる事が
出来ました。
周囲からは「スリムになったね」と言われましたし
ダンベルで鍛えたこともあって高校入学当時より引き締まっていました。
「でも、まだ美容体重じゃないし……」
そんな風に思っていました。

私が中学生だった頃、宮沢りえのヌード写真集が発売されました。
健康的で美しい肢体の彼女に対し、心ない人たちは
「意外とデブ」「足が太いね」などと暴言を投げつけました。
彼女と私を比べるのはおこがましいのですが
当時の私は十分に痩せていたし人生で一番きれいだった。
それでも、歪んだ頭では「まだまだ痩せなきゃ」と思っていたのでした。

結論だけ言うと、この後無理をして結局リバウンドするのです。
教訓・無理はやめましょう。