SAⅤIOR・AGENT
翌日、今日は球技大会が行われた。
男子は表で野球、女子は体育館でバレーボールだった。
「うりゃあああっ!」
不破さんのスパイクが私達のコートに炸裂した。
「やったーっ!」
不破さんはロンに身体能力を年相応に合わせてもらっていると言うが、こんな地球人あんまりいないって……
ちなみに今体育館には1組と2組以外の女子生徒はほとんどいなかった。丁度1組と大神さんのいる4組が試合をしているのでそっちの方に行ってしまった。
「あんなの返せないよ〜」
「私も男子の方を見に行きたい〜」
クラスメートの松井さんと竹里さんが弱音を吐いた。と言うか1組の女子は殆どが兄貴の応援に行きたがっていた。
点数を見ると19対3で負けは確実だった。だけど兄貴の試合を応援に行こうにも試合は終わらせなければいけない、
1組の攻撃が始まる、今度のサーブは1組唯一の体育会系少女の梅沢さんだった。
「せりゃっ!」
ボールは綺麗に山を描いてネットを越えて相手コートに、1人の女子生徒の前に飛んできた。
「京子ちゃん危ないっ!」
不破さんが叫んだ先には1人の女子生徒がいた。
肩まであるボブカットの右側だけを少し縛った私より背の低い子がボ―ッと突っ立っていて、顔にボールがぶつかって倒れた。
「京子ちゃん!」
1組の子も2組の子も彼女に近寄る、
不破さんが彼女の両肩を揺する、
この子が昨日不破さんが話していた明石京子さんだった。
「明石さん、しっかりして!」
「誰か保健室に!」
「アタシが行く!」
「私も!」
私は手をあげた。
少し気になる事があったからだ。
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki