SAⅤIOR・AGENT
私と不破さんと水城さんは一緒にいる事が多くなった。
お昼などは保健室で一緒に話をしながら食事を摂り、供に下校した。
不破さんがいる事で容易に近づけないと言う事が分かったんだろう、できればこのまま出てこないで欲しかったが、水城先輩の安全が保証されるまでは捜査は続行される、
だけど朗報があった。それは兄貴が数日中に帰ってくると言う、
私達はその事を知らせに2年の教室にやって来た。
「そうですか、わざわざすみません」
「これで一安心ですね」
「そー、そー、タクミが帰ってくればストーカーの10人や20人軽くやっつけてあげるんだから」
不破さんは得意げに言う、
だけどそんなにいて欲しくは無い、誰だってそう思うはずだ。
そう思っていると、
「水城君」
現れたのは仙道会長だった。
「あれ、君達は?」
「あ、どうも」
私は頭を下げた。
不破さんは初対面なので首をかしげていた。
「話は聞いたよ、君達のおかげで水城君の被害がなくなったって……」
「いえ、私は何もしてないですよ」
「そーだよ、被害はなくなったけど捜査は続けるってチヅルちゃんが……」
「不破さんっ!」
私が言うと不破さんは口元を抑えた。
「千鶴ちゃん?」
「あ、ああ、その…… 実は里中先生の知り合いに警察の人がいて、その人ストーカー関連に詳しい人なんで何とかしてくれるって言う物ですから…… あ、もちろんそれには水城先輩の許可が必要なんですけどね、それを説明してただけですよ」
私は慌てふためきながら言った。
まさかセイヴァ―・エージェントの事を話す訳にはいかないので半分はデタラメだった。
「そうか…… まぁ、いずれにしろ何とかなるならそれに越した事は無いだろう…… あ、そうそう水城君、旧校舎の体育倉庫の事で話があるんだけど…… ちょっと良いかい?」
「あ、はい…… 2人供ごめんなさい、これから生徒会の事で会長と話がありますので」
「は〜い!」
用件も済んだので私達は自分の教室に戻ろうと階段を降りて行った。
放課後になった。
仙道会長の言ってた通り、水城先輩は旧校舎の体育倉庫の掃除をすると言っていたので私達は保健室で作業が終わるのを待っていた。
「………」
私はずっと昼間の事を考えていた。
何かがおかしい、何かが頭の中でひっかかっていた。
「マイ、マイ!」
「えっ?」
「どうしたの? ボーッとして」
「あ、何でもないわ…… 少し考え事をしてたから」
「大丈夫だよ、タクミなら数日中に帰ってくるんだから!」
「べ、別に兄さんの事を心配してる訳じゃ無いわよ!」
「あ〜、マイ赤くなってる〜」
不破さんは口元を抑えるとニヤニヤと笑い出した。
すると作業をしていた里中先生が後ろ向きのまま会話に加わってきた。
「そう言うのってツンドラって言うんだったかしら?」
「違うよ、ツンデレだよ千鶴ちゃん!」
「ツンデレじゃないっ!」
ったく、どいつもこいつも……
多分兄貴が言ったんだろうけど、ロクな事を教えやしない、帰ってきたら必ずぶっ飛ばしてやる!
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki