闇色のぼくたちは
― 風
悔しくて唾を飲み込んだ
哀しくて嗚咽を零した
納得いかないことがどうしようもない
どうしてうまくいかないんだろう
打ちひしがれる度に崩れていく
ぼくたちはとても脆くて
強い風にあおられたらすぐにでも心が揺らいでしまう
ぼくたちはとても弱くて頼りなくてどうしようもない
優しい言葉を求めている
楽しいことを探している
星影に隠れたものに目を背けて
月明かりの下を大手を振って歩いている
夜の風は冷たいけれど
朝の風よりも優しくて
太陽の高笑いをさらっていってくれる
ぼくたちは闇色の心を抱えて
溢れる光の中を生きてきた
満足できないことが多くて
思い通りにならないことがどうしようもない
納得できないことが多くて
上手くできないことがどうしようもない
どうしてこんなに哀しいんだろう
喉の奥に詰まっていく吹きだまりをどうにかしたくて
熱を持つ胸をかきむしった
ぼくたちはとても脆くて
強い風にあおられたらすぐにでも消え伏せってしまう
夜の風どうか
この熱を冷ましてくれ
ぼくたちは
闇色の世の中でもがき進んで
闇色の世界で夢を見る
闇色の空に心を開け放つ
闇色に何もかも 解けていきそうだ
夜の風が冷たくて
この胸を締め付ける
どうか この熱を奪ってくれ
忘れ去ってしまいたい
苦しいことも辛いことも
忘れないでいたい
嬉しいことも愛しいことも
消えてしまいたい 闇色に解け込んで
ぼくたちはどうしてか上手くやることができなくて
どうしてこんなに弱いんだろう
夜の風どうか この熱ごと