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アラビア半島には８億人もの人が住んでいる

　他の作品と整合性を持たせるために、若干、内容を修正します。


「南先生。自由が全くないアラビア半島に多くの人たちが、永住していますが、その国にどんなメリットがあるのですか？」
「１９８０年代に新宗教ブームが起きたのですが、１９９５年３月２０日に地下鉄サリンテロ事件で一気に新宗教ブームが沈下しましたが、長引く不況で行き場を失った若者が急増して、２０１０年代に再び宗教ブームがおとずれました。２１世紀中頃にイスラム教信者が急増しました。イスラム教の本場、中東に住みたい人が増えたからです」

　教室のスクリーンに、世界地図が表示された。そして、世界の国はわずか１００ヶ国しかないのは、日本が西洋諸国を全て併合したからである。それに対抗するためにイランは中央アジア諸国を。サウジアラビアも北アフリカ諸国を併合した。イランは領土をさらに北に広めた。中央アジアから中国の西側を領土にした。北アフリカをサウジアラビア固有領土にした巨大宗教帝国ができた。日本は国際貢献としてソーラーパネルを砂漠全体に広げた。ヨーロッパやインド・パキスタンに電力を供給する。電力を供給した国々からお金がたくさん入る。ひじょうに豊かなイスラム社会になるはずだったが。

　宇宙エレベーターの静止軌道都市からでも、いや月面からでも日本が作った巨大なソーラーパネルが肉眼で見られるほど広大である。


「２１世紀後半、日本人女性が３０万人ほどアラビア半島の日本人街に永住しました。厳格なイスラム戒律を徹底的に守ることで、贅沢三昧な生活ができるからです。敬虔なカトリック修道女の１万倍もの意志の強さがないと、厳格な戒律が守れないのです。だから、時代が立つにつれて、人間性を失いました。ロボットたちに監視されながら生活の全てを捧げました」

「先生、その人はまるで人間の形をした家畜ではないですか？」
「えーと、その事については、別の機会にお話しします」

　１秒・１ミクロン単位で厳格な宗教戒律生活を送っている人たちは、少なくてもこの地球には２８億人も住んでいる。そのような彼らと、どこかで厳格な境界線を築きながら共存しなければならない。