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VS都市伝説

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「なんだコレ……まさかマジで下にいるとかないよな」
 夜更けに美織から来たメールはこんな内容だった。風呂上りでまだ濡れた髪の俺は、携帯を確認しようと手に持った瞬間届いたこのタイミングの良いメールにいささか戦慄し、そして引いた。
「まさか、まさかな……」
 そう言いながら、ちゃんとマンションのエントランスまで降りてやる俺って優しい。寝巻きのスラックスに昔部活で使ってたTシャツだけど。
「やっほー」
「まじでいた!!」
 入り口のガラス戸の向こうにいたのは、魁美織(さきがけみお)だった。中のコンパネでパスワードを入れて、開けてやる。
 カップアイスを二つ持った彼女は、俺の腐れ縁である。見る人によっては、友達だったり恋人だったりはたまた兄妹だったりするかも知れない。本当のところ、自分たちですら関係を決めかねている。美織は本当よくわからない人間だし、どちらも優柔不断なのだ。そして、それでいいと思っている。だからお互い今は「腐れ縁」という表現を使うことにしているのだ。

「で、突然家に押しかけてくるっていうメールだったのか? これは」
「ああそれ、私のケータイに来たメール転送したの」

 
 美織は、可愛らしい花柄のケースに入ったスマートフォンを掲げて見せた。確かに、さっき彼女が俺に送ってきたのと同じ文面のメールだ。ただ、送信アドレスの部分が、からっぽ。
「これって……」
「あ、メール」
 明るいテクノポップな着信メロディが響き、ディスプレイが光る。届いたメールの文面は、

「わたしみおちゃん、いまあなたのいる男の家に向かっているの……」
 おお、ハモった。


VS リカちゃん人形

作品名:VS都市伝説 作家名:塩出 快