私の好きな人
私は自分が好きになった人に好かれたことがない。
父も母も私を好きではなかったし、高校生の時、初めて身体を重ねた男性も私のことなんて全く好きではなかった。
今だってそうだ。
私が誰よりも好きで、優しくしたいと思っている星野くんは、私以外の別の女性のことを好きでいる。彼はその彼女の事が大好きで、その恋が辛くて辛くてしょうがない、と私の前でぼろぼろと涙を流したりもする。私はそんな彼をとても愛おしいと思いながら、彼にこれっぽっちも関心を向けられずに、彼の側にいる。
彼は『自分なんて何の価値もない』とよく落ち込んでいるが、それならそんな彼の事が好きで好きでしょうがなくて、それなのに女性として一ミリの興味ももって貰えない私は何?って思う。彼が自分自身の事をありもしない言葉で責める度に、私はそんな彼を支えてあげたいと思いながらも、私自身の価値すら疑い始めて、彼と一緒にどんどん深みにはまっていくのだ。
父も母も私を好きではなかったし、高校生の時、初めて身体を重ねた男性も私のことなんて全く好きではなかった。
今だってそうだ。
私が誰よりも好きで、優しくしたいと思っている星野くんは、私以外の別の女性のことを好きでいる。彼はその彼女の事が大好きで、その恋が辛くて辛くてしょうがない、と私の前でぼろぼろと涙を流したりもする。私はそんな彼をとても愛おしいと思いながら、彼にこれっぽっちも関心を向けられずに、彼の側にいる。
彼は『自分なんて何の価値もない』とよく落ち込んでいるが、それならそんな彼の事が好きで好きでしょうがなくて、それなのに女性として一ミリの興味ももって貰えない私は何?って思う。彼が自分自身の事をありもしない言葉で責める度に、私はそんな彼を支えてあげたいと思いながらも、私自身の価値すら疑い始めて、彼と一緒にどんどん深みにはまっていくのだ。