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てっしゅう
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「セックスアンドザシックスティーズ」 第五話

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「逢いたかった・・・映子、好きだよ」そう小耳に囁かれた。
「私も・・・ずっと待ってたの。大好きよ優介さん」
彼の名前は優介と言った。東京にある自動車部品メーカーの販売担当をしているセールスマンだ。名古屋と大阪に支店がある中堅メーカーで時々新幹線で支店を回っている。明日は名古屋支店に顔を出す予定にしている事で映子とのスケジュールを合わせた。

「優介さん、明日は早いの?」
「ううん、午後からの出社にしているから大丈夫だよ。それより今夜はどうしよう、泊まるところ考えてなかったから気にしていたんだけど」
「さっきまで会っていた名古屋の友達がウェスティンキャッスルがいいって話してくれたの。そこはどう?」
「昔のキャッスルホテルって言ったところだね・・・桜が満開かもしれないな。そうしようか、電話してみるよ」
「知っていたのね」
「何度もこちらには来ているからね。待ってて・・・」

この季節名古屋城見物を兼ねて観光客が多くホテルは混んでいた。特にお城が見える東側サイドの部屋はほぼ満室状態だった。
予約が取れた部屋は最上階に近いデラックスルームだった。優介はこんな機会はそうないから思い切って映子のためにお金を払う決心をした。
名古屋駅桜通り口からタクシーを拾って二人はホテルに向った。辺りはほの暗くなって名古屋城に点された電球の明かりに桜が綺麗に映し出されていた。
到着したホテルは映子が想像していたとおりの素晴らしい立地と格式を備えた場所だった。そして通された部屋は窓から正面に名古屋城がはっきりと見えた。