「セックスアンドザシックスティーズ」 第五話
恵子と美紗子を新幹線乗り場まで見送って典子はまだ時間があると言っていた映子と二人で再び喫茶店に入った。
「遅くなるわよ映子さん、もう6時前よ、大丈夫なの?」
「うん・・・実は今日は名古屋に泊まる予定にしているの」
「どういうこと?彼と今から逢う約束をしているの?」
「そうなの・・・前々からそうしようって言ってくれていたから」
「ふ~ん、いいね。羨ましい・・・なんかため息ついちゃうな。映子さんだけずるいよ、幸せだなんて」
「そんな事言われても、典子さんだっていい人がきっと現れるから、自分磨き頑張ってね」
「そうね、約束したように痩せなきゃ・・・なんか勇気が出てきた。まずは自分を変えなきゃ見つからないわね」
「そうそう、人は知らないところで見ているから解らないのよ。自分が何もしないでただ待っていても誰も来ないし来てくれない。神様はちゃんと頑張っている人のところへ幸せを運んでくれるの・・・そう信じましょうよ」
「映子さん・・・嬉しいわ。好きな人がいるって心にも余裕が生まれているのね・・・ねえ何時に待ち合わせしているの?邪魔したら悪いから、待ち合わせの時間前に失礼させて頂くわ」
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第五話 作家名:てっしゅう