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散々元気出す定食 (グランマ付き)

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『散々元気出す定食(グランマ付き)』



高見沢一郎はごく普通のサラリーマン。
昨夜は、毎年恒例のオフィスの仲間たちと花見だった。
満開の時期は少し過ぎ、散り始めていたが、随分と盛り上がった。
その後、ついつい勢いに乗ってしまって、夜の街へとみんなで繰り出し、大二次会となってしまった。単身赴任のアパートへと引き上げてきたのが、夜中の三時をまわっていた。

そして朝、いや昼前だ。
高見沢はやっとベッドから抜け出した。
「ああ、ちょっと夕べは飲み過ぎたなあ、二日酔いだよ」
誰かいるはずもない部屋で、そう呟きながらウコンのドリンク剤をゴクゴクと飲み干す。そんな独り暮らしの悲哀を吹き飛ばすかのように、カーテンを思い切り開けた。窓から春の陽光が一気に差し込んでくる。

だが、どことなく気怠(けだる)いし、頭がぼんやりしている。そのためか、遅掛けの朝食を作る気分にならない。
「ならば、早めのランチでも食べに行くか」と、高見沢はまたまた独り喋り、アパートを出た。