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てっしゅう
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「仮面の町」 第十三話

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翌日弘一に父と話したことを伝えた。そして山崎警部が運転手の名前を知っていることを確認したらどうかと尋ねた。

「優子、警部はボクに名前を言ったら交渉しに向かうと考えるだろうから・・・言わないよ。もしくは自分で先に話をしてから教えてくれると思うよ」
「そうね、俺が解決するって言われたんでしょう?」
「そうなの。今の話を聞いて久能が運転手を自首させる確率は高いな。ひょっとしてもっと過激な手段に出るかも知れない」
「もっと過激?たとえばどういうこと?」
「考えたくは無いけど・・・自殺させるとか、事故に見せかけて口を封じるとか」
「それは・・・運転手が口を割る可能性があると判断した場合よね?」
「そうだろうね。長年、久能の傍で仕えているのだろうから、信頼関係は出来ているだろうね。でも自分が刑務所に入るとなると状況は違ってくる。将来の保証が無い限り損な役目を引き受けることには納得しないだろう」
「将来の約束?」
「刑期を終えて出て来た時からの生活の保障だよ。それには家族に一生生活出来るぐらいのお金を渡して置く必要がある。
金額にして・・・どうだろう5000万ぐらいか。それほどの大金を払えるだろうか」
「久能に払えないことは無いでしょうけど・・・黙らせた方が簡単ね、きっと」
「優子もそう思うか・・・早く手を打たないとやばいかも知れないぞ。山崎警部にまずは知らせるか」
「そうね、明日にでも電話したらどう?」
「うん、そうしよう」

山崎は弘一が考えていることと同じことを実行しようとしていた。一日タイミングがずれて、翌日弘一が会いに行った時には、運転手を訪ねた後だった。