TranceMix! 2話
それから1時間後。
「全然釣れねえな」
「そだね」
あれから、当たりは一発もない。
「そうする?…お昼」
「あー、そうだな…腹減ったなぁ~」
もうそろそろお昼ご飯を食べる時間。ただ…。
バケツの中には、ハエが一匹と、コイが一匹。
「…ハエって食えたっけ?」
「揚げればいい感じになるんじゃない?」
「セイジ、頼む」
え。
「油が無くない?」
「だよなぁ~」
「コイは?」
「…皆に自慢したかったんだけどな、仕方ねえ」
「とりあえずさばこっか」
まな板の上にコイを置く。
まず、包丁で側線器をなでて大人しくさせてから…アレ?
「大人しくならない?」
なんで?そんなわけ…。
「どうかしたか?」
「このコイ、大人しくならないんだ」
「そりゃ、生きるために抵抗してんだろ」
それはあり得ない。
『まな板の上の鯉』という言葉があるように、普通のコイは大人しくなる。
というのも、感覚器である側線器をなでると、失神するから。
それが、このコイは失神しない…?
という事は、感覚器がおかしいか…まさか!!
コイの頭に包丁を振り落とす。
すると、ガチャッ、といった、コイからは聞く事が出来ないような音が。
「!!」
そこには、機械兵と同じような機械が詰まっていた。
「やっぱり!」
「どうした?」
「これ見て!」
「なっ!?そりゃまさか…!」
「急いで報告しよう!」
「そうだな!」
作品名:TranceMix! 2話 作家名:ざぶ