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夜になってから蝶は舞う-DIS:CORD+R面-

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多くの亜人種に効果があるしねー。それで反リヴァーダ・親人類にすることが容易くなった。
アレに対抗する技術は亜人種からは生まれんだろう・・・実に面白い。」

豚の肉から牛へ。そしてワニのフライに食らいつくようにしながらマダムーダ事務局長は満足げだ。

「実際にウイルスに冒されなんともあのような高熱が出て意識朦朧としながらなす術のない多くの亜人共を見ていると実に面白い。
それを見た亜人種共も我々を、なんだ?君の言う〜・・・」
「神?ですか?」
「そう!そのような崇高で強大な存在だと初めて認識し大人しくなる。実に痛快!実に愉快!」

相当に酒を飲んでいるのだろう。
この不安定な空の上というのが手伝ってかマダムーダ事務局長の機嫌はすこぶるいいがいささかテンションは上がり過ぎだ。

「いよいよ・・・本丸・・・リヴァーダにその効果を試さんとな・・・
しかし効くのかね、ほんとに。あの化け物共に。リヴァーダ族はあらゆるウイルスの抗体を持っとるそうじゃないか・・・」

急に声をひそめたマダムーダ事務局長の口の端には紫色のソースがついている。

「ええ。リヴァーダは死体を介して生まれますからね。
つまりあらゆるウイルス、病原菌等々に冒された死体からも生まれます。
そしてそれが強力な抗体を作っていくことになる。
また自ら種として抗体を持ちたいウイルスを死体に施し人為的にその作業工程を行うこともできますからね。
まあそれを延々とリヴァーダの歴史が始まってから繰り返してその遺伝子に刻み込んでいくわけです。
わかりますか?彼らはそうやってこの世界にあるあらゆるウイルスに対抗する肉体を築き上げてきたのです。」

「ああ、わかっとるよ。だから効くのかどうか不安ということだろう」

「言ったでしょう。この世界のあらゆるウイルス、と。つまり彼らの知らないまったく未知の新たなウイルスには対抗できない。
例えればの話ですが・・・この世にないウイルスには抗えないのですよ」

レイカーは眼下に広がる川を見た。光が反射してキラキラしている。
その河川敷には黄色い花が埋め尽くすように咲いている。

「本当に・・・本当に美しい世界だ・・・」