「セックスアンドザシックスティーズ」 第二話
「典子さん、それじゃあ、出逢いはないかもですよ。教えてください!って話しかけなきゃ始まらないと思いますから」恵子が笑いながら答えると、
「映子さんもそう言って近づいたの?」と真面目な顔をして典子は言葉を映子に返した。
「そんな事言うわけ無いでしょ!」
「じゃあどうして仲良くなれたのよ。教えて」
「何度か店で会っているうちにそれとなくご飯に行こうって誘われて・・・」
「食事してホテルに行ったの?」
「もう!典子さんッたら・・・待ってましたじゃないのよ失礼な」
「結果はそうなったのよね?じゃあ同じよ。あなたにその気が初めからあったって言う事に変わりはないわよ」
「それは・・・そうだけど・・・好きになったからよ」
映子はそのことは言っておきたかった。夫に満たされない身体を求めたのではなく自分が好きになったから許したのだ。
いつでも彼に逢いたいと強く思うが、寂しいから抱いて欲しいとは感じないのだ。彼が望む事は自分も望む事なんだと言い聞かせている。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第二話 作家名:てっしゅう